◆ 日時: 2021年10月30日(土) 13:00-17:00
◆ 場所: オンライン(Zoom)
★ 参加申し込みが必要
◆ 参加費:2000円
注)今回の参加費をお支払いいただくことで、今年度(10月、2月)の研究会参加が可能となります。
◆ 参加申込方法
1)以下の口座に今年度会費2000円を振り込む
ゆうちょ銀行
記号 10180-2
番号 76641991
名前 ダイニゲンゴシュウトクケンキュウカイ(カントウ)
他金融機関からの入金
店名 〇一八(ゼロイチハチ)
店番 018
預金種目 普通預金
口座番号 7664199
恐れ入りますが振込手数料等が発生する場合は振込者がご負担ください。
2)以下のURLに入り、参加申し込みと入金を完了する
申込締切日 : 10月28日(木)正午
(参加希望者多数の場合は募集締め切り日よりも早く応募を締め切る場合があります。)
URL:https://forms.gle/S9VQvLZLYZ9j65pq9
3)振込確認後ご記入いただいたメールアドレスに研究会のZoomのID、PWと配布資料を送付。
送付予定: 10月29日(金)夜までに
注)参加に必要な環境(Zoomアカウント、PC、インターネット環境など)は各自ご準備ください。
◆ プログラム
【開会の挨拶】13:00-13:05
【研究発表】13:05-15:55
1. 13:05-13:45
松世 望(マツヨ ノゾミ) 名古屋外国語大学 大学院生(博士前期課程)
「リキャストを長期間誤用訂正フィードバックとして与えた効果―英語を母語とする初中級日本語学習者を対象として―」
2. 13:45-14:25
左 雪姣(サ セツコウ) 東京学芸大学 大学院研究生
「中国人日本語学習者を対象とした訂正フィードバックの研究―JFL 環境において/形式面に焦点化した場合―」
<休憩>
3. 14:35-15:15
Shekarabi Zeinab (シェキャラビ ゼイナブ) University of Tehran Assistant professor (助教授)
「L2作文への不安及びL2作文のパフォーマンスに対する長期間に亘るOnline-Peer-FBによる影響」
4. 15:15-15:55
彭 璽閣(ホウ ジカク) 横浜国立大学 大学院生(博士前期課程)
「上級中国人学習者の「テイル」「テアル」アスペクト表現の習得の一考察―「結果の存続」用法を中心に―」
【研究相談会】 16:10-17:00
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◆要旨
【研究発表】
1. 松世 望(マツヨ ノゾミ)
「リキャストを長期間誤用訂正フィードバックとして与えた効果―英語を母語とする初中級日本語学習者を対象として―」
これまでのリキャスト研究の問題点として、日本語教育分野での研究があまり進んでいないことや、縦断的研究が行われておらずリキャストの長期的な効果が明らかになっていないことなどが挙げられる。本稿の目的は、米国という海外の教室環境において、英語を母語とする初中級レベルの日本語学習者を対象に、3ヶ月間リキャストを与えた際の効果を明らかにすることである。2週間に一度のオンラインによる自由会話で学習者の誤用に対してリキャストを与えたのち、その誤用を取り出して正誤判断をさせる誤用判定、および自己訂正を促す誤用訂正調査を実施することで、文字による自己訂正と音声による自己訂正へのリキャストの影響を観察した。結果として、全体的には3ヶ月間ではリキャストの効果がはっきりとは見られなかったが、効果が見られた個別の誤用について報告する。
2. 左 雪姣(サ セツコウ)
「中国人日本語学習者を対象とした訂正フィードバックの研究―JFL 環境において/形式面に焦点化した場合―」
本研究は、中国にいる日本語初級学習者を対象に、言語形式に焦点を当て、訂正フィードバックの効果を実験で調査した。また、訂正フィードバックの効果と学習者のビリーフとの関係を分析した。その結果、瞬時の効果としては、「リキャスト」が最も学習者に修正を導いていたが、効果の維持の面では、「メタ言語的印」より効果が劣ると言える。以上より、JFL環境にある中国語母語の日本語学習者の場合は、一時的な修正は暗示的な訂正フィードバックでも導けるが、習得にとっては訂正フィードバックには一定の明示性が必要だと考えられる。また、学習者の訂正フィードバックに対するビリーフ調査から、学習者のビリーフから見て望ましい訂正フィードバックと指導の効果が持続した訂正フィードバックのタイプが一致していることが示された。教師は、学習者のもつビリーフを把握した上で、学習者に合ったフィードバックを行うことが重要であることが示唆される。
3. Shekarabi Zeinab (シェキャラビ ゼイナブ)
「L2作文への不安及びL2作文のパフォーマンスに対する長期間に亘るOnline-Peer-FBによる影響」
不安は作文に悪影響を及ぼし、オンライン学習が学生に不安を与える一方、教師によるフィードバックは学習者の作文に効果的であることを示す研究があるものの、L2作文への長期間に亘るOnline-Peer-FBによる影響については軽視されている。そこで、ペルシア語母語話者日本語学習者21名を対象に、事前・事後・遅延テストデザインの実験を9週間行った。まず、1週目に学習者が作文1を書き、その作文1について仲間からOnline-Peer-FBを受け、2週目にそのFBを元に作文1を書き直した。3週目以降は1週目及び2週目の作業を繰り返し、実験の前後に、学習者は不安に関するアンケートに答えた。そして学習者は実験の1ヶ月後に作文を書いたところ、学習者の作文に対する不安が減り、作文の質が向上したことが明らかになった。従って、長期的かつ複数回に亘るOnline-Peer-FBは学習者の作文に効果的であると言える。
4. 彭 璽閣(ホウ ジカク)
「上級中国人学習者の「テイル」「テアル」アスペクト表現の習得の一考察―「結果の存続」用法を中心に―」
「結果の存続」を表す「自動詞+テイル」「他動詞+テアル」を中心に、中国人学習者の習得に関する研究が管見の限り少ない。また、筆者の学習経験をふりかえると、中国語の受身表現の影響によって、「他動詞+(ラ)レテイル」の方が言いやすいと感じたことがある。 したがって、本稿は上級中国人学習者を対象に、「テイル」「テアル」の習得に、両文型の相互影響、他文型の影響を調査するのを目的とする。 彭(2021)は上級学習者に対する考察は推測にとどまった。本稿は彭(2021)の上級学習者のデータを更新し、インタビューに基づき、以下のことを明らかにした。①「テイル」の習得は「テアル」「(ラ)レテイル」の影響を受けている。特に動作主の行為を強調して、「テアル」「(ラ)レテイル」を多用してしまう傾向がある。②「テアル」の習得は形式上、同じく動作主による結果の存続を表せる「(ラ)レテイル」から代替されてしまう傾向が窺えた。
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